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第三話 笑顔に満ちた日々
翌日曜は華子ちゃんを連れて買い物に出かけた。
本当に文字どおり着の身着のままだった彼女。
お金すら持っていなかったことに驚いたが、当面は家に居るわけだし、主に生活用品と衣服を買って回った。
彼女はいちいち楽しそうに僕の後ろをちょこちょこついて回り、興味のあるものからは、なかなか離れようとしなかった。
食材の買い出しも終わり、家に帰ってからも、彼女は今日一日街で見たものを、興奮気味にいちいち報告してくれた。
見えないしっぽを千切れんばかりに振りながら。
明日はどうするかなぁ。
もう今日の夜22時には家を出なきゃいけないんだけど…。
一応、彼女にそれを伝えると、
「私も行く。絶対に行く。ゆうきと離れない。置いてかないで。お願い。」
とまくし立てられた。
まぁ可愛くはあるんだけどね。
本当に妹が出来たみたいで、若干嬉しかった。
だから決めた。
「華子ちゃん。ちゃんと大人しく僕の言うことを聞いてくれたら連れて行く。分かった?」
「いいの?! やったー!私、いっぱい頑張る?」
何をだよ? って突っ込みたかったが、あまりにも喜んでいて可愛いのでやめといた。
そして二人の楽しい日々が幕を開けた。
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