第20章 告白

4/27
563人が本棚に入れています
本棚に追加
/601ページ
「恥ずかしい話ですが、なかなか実家に帰る勇気がなくて……。ほら、私は逃げてきた人間だから……」 寂しそうに笑いながら── 「両親が亡くなって……姉さんから連絡を貰って、それでも勇気がでなくて、お葬式にすら顔を出せなくて……。バカな話です。親不孝どころか、姉さんに迷惑をかけて、なのに、姉さんは優しいから……お墓の場所を教えてくれて」 そこまでユウさんが話した時、寺鷹さんが盛大にため息を吐いた。 「本当に……貴方はバカだ……」 「ちょ、寺鷹さん」 「いや、バカな男プラス。腹の立つ男だな」 嗜めようとする私を遮るようにして、寺鷹さんが続ける。 「バカで腹の立つ男だけど、そこが貴方の魅力でもあるんでしょうね。だから、貴方のお姉さんも貴方を受け入れる。いくら温厚な人だとは言え、普通なら、許しませんよ。親の葬式にすら帰らない弟なんて」
/601ページ

最初のコメントを投稿しよう!