ナチュラル (01)

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「これは十分恐怖の対象だろうが。でもまぁ、ブロックしなかったことは褒めてやる」    何故かと問うと、ストーカーの証拠になるからだと返ってきた。  いざ警察に被害届を出す時、必要となる証拠だ。チャットだけでなく、電話やメールもデータを取っておけと言う。 「今はまだチャットだけ? 無言電話とかはない?」  藍李が聞くと、櫻子はコクンと頷いた。 「さすがにそこまでしてきたら、相談してる」 「そっか……そうだよね。でも、この時点で気付けてよかった」 「あぁ、そうだが……どう対処するかだな。下手に刺激しても危ないし」  須王の言葉に藍李は頷き、そして悠馬に向き直る。  悠馬はげんなりした顔で藍李を見た。 「姉貴、もしかして大学ん時のことを言おうとしてないか?」 「わかってるなら話は早い」 「え、何? 大学の時、何かあったの?」 「何もない」 「はぁ? 今、藍李さんが言おうとしてたじゃない!」  言い合いになりそうな二人を宥め、藍李が事の次第を説明した。
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