8月7日

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「ねえ、地球が明日で終わったらどうする?」 蝉の声がまだ聞こえる8月の昼下がり、唐突に投げかけられた質問に坂本花穂は困った顔をした。 「地球の終わりって…いきなり何を言い出すんですか、先輩」 「いやぁ、終わりってあるのかなって思ってさ」 先輩、と呼ばれた綾瀬圭は、小さくそう呟いて、手入れをしていた望遠鏡に視線を戻した。圭が家から持参した白いラジオが、午後2時を告げた。
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