3.未来の糸

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 ヤスたちがこれから塾の見学に行く、という話をすると、俺をのぞく三人で塾に関する話題で一頻り盛り上がった。そんな三人の様子に、俺もなんだか楽しくなる。 「ところで、今日はどこにデートに行くんです?」  興味津々に聞いてきたのはヤス。俺も行先を知らなかったので、チラリと柊翔へと目を向ける。 「デート? ああ、まぁ、デートといえばデートか」  苦笑いしながら答える柊翔に、俺の方が困惑する。俺の方が勝手にそう思ってただけ? 「あれ? 違うんですか? 要くん、楽しみにしてたのに」  ちょっとだけ怒ったように佐合さんが、文句を言う。 「ごめん、ごめん。要を連れて行きたいところがあるんだ。ついでに、知り合いに紹介したくてね」 「知り合い?」 「ああ、高校の時の同級生なんだけどな」  話をしているうちに駅に着いてしまう。そのまま改札の中に入ると、俺たちは下り電車、ヤスたちは上り電車のホームへと別れた。  これからどこへ向かい、誰に会うというのか。ほんの少しだけ、不安になった。
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