夢見る無給の研究員

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夢見る無給の研究員

僕は20年前、物理学の学生だった。 僕は小さい頃科学が好きだった。兄がよく物理学の本を僕に薦めたものだった。その本はブルーバックスと呼ばれる新書サイズの本だった。タイトルは、例えば、「四次元の世界」とか、「タイムマシンの話」とか、「量子力学の世界」とか、「クォーク」とかであったりした。大まかに言うと相対性理論と量子力学の話だ。それらの本の中に時々「ファインマン」と言う名前の学者が出てきた。私が「ファインマン」のファンになったのは、大学生として物理学を勉強していた時だった。僕が物心ついたときには彼はすでに亡くなっていた。ただ彼が事故原因を追求したスペースシャトル、チャレンジャー号の事故だけは覚えていた。「ファインマン」がチャレンジャー号の事故原因を追求していたことをはっきりと認識したのは彼の著書「ご冗談でしょう、ファインマンさん」を読んでからだった。     
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