第一章 霍乱

2/7
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
 暑い、暑い、暑いよー。  体中の細胞が熱を帯びている。体が熔けて仕舞いそうだ。  既に脳の一部が熔けていて、汗と一緒に流れ出しているのじゃないだろうか。  朦朧として頭が働かない。  私の周りだけ時間がゆっくり動いているようだ。  熱中症だろうか?    今日は、旧体育館で書道パフォーマンスの初練習だった。  全国大会は予選で敗退。県の書道振興会主催の大会も入賞を逃した。  それで三年生が引退し、一二年生主体の初めての練習。  秋の文化祭までには、新しいパフォーマンスをマスターしなくてはいけない。  踊りながら綺麗な字を書くのは容易じゃない。  運動が不得意の私は一苦労だ。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!