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「ホッホッホッ、新入りさん、ようやく目覚めましたな」貴族が朗らかな笑みを浮かべ、男に声をかけた。
「あ、どうも……。ちょっとわからないことばかりで……、ここはどこなのでしょうか? というか、まず、ぼくは自分が誰かということもわからないようでして……」
「まずは落ち着きなさい。そんなに慌てちゃ、せっかくの色男が台無しだわ。ねえ、ジョン、そう思わない」
「まあ、そう言ってやるなって、ココ。自分が誰かもわからないなんて、そりゃ怖い。俺は想像できるね、その感情」
キセルの美女がココで、ギターの青年はジョンか。貴族の名は何だろうと思うと、彼は自ら名乗った。
「そうそう、ジョンの言う通り。どれ、このわし、天神が説明してしんぜよう。まずは座りなさい。麻雀は打てますかな?」
「えっと……、大丈夫そうです」
牌を握る。ルールはわかるように思えた。
「まず、最初に言っておこう。我々は人ではない。このわしも、ココとジョンも。そして新入りさん、あなたも。これが大前提」
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