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「あの、私もう行っても良いですか?一応謝りましたし、それでも許せないなら後はどうぞご自由に。じゃぁ失礼します」
「え?いやっだからちょっと待って!」
「……まだ、何か?」
「許す!許すからデートしよ?デートがしたい」
「……それなら私でなくても……誰か他の人に頼めば……」
「は?馬鹿か?馬鹿なのか?お前は。俺は美桜としたいんだって!前から何度も好きだって言ってるだろ?」
「ああ、あれただのセクハラジョークだと思ってました。……デートってのはさすがにちょっと……」
彼には前回少し言い過ぎた罪悪感もあったから、無下に断るには躊躇する……。
「じゃあ分かった。デートは諦めるから一ヶ所だけ付き合って」
返事に困っていると熊男が妥協案を提案してきた。
「……まあ、一ヶ所くらいなら良いですよ。分かりました」
どこに行くかは当日までに決めておくからと言って、互いに都合の良い同じ日の休み希望を店長に出した。
「おっ!とうとう大熊くんとデートかい?」
店長男の癖に良い年して恋ばな好きだからって、すぐに従業員の誰かと誰かとをくっつけたがるのはやめて頂きたい。
「違いますからっ」
うやむやな返事ではなく完全否定しておかないと、後でどんな噂が飛び交うか想像するだけでも恐ろしい。
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