高柳&凛子夫婦のお話(1)

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叫び声を上げ、勢いよく上半身を起こして声がした方に顔を向ける。 すると、そこには目がしっかりと開いていて、起き上がった私を微笑んで見つめている高柳がいた。 「あ、あなた……起きていたの?!」 「うつらうつらとしていたら、キミにしては小さな声が横から聞こえてきたからな。珍しくて聞き耳を立てていた」 「もう……! 盗み聞きをするなんて、相変わらず嫌な性格をしているのね!」 以前もこんなことがあった。 まだ想いを伝えあっていなかった時、私が一方的に感じていた幸せを一人で語り、その時にこの人は盗み聞きをしてからかうどころか、キスのお手本までやってみせたのだ。 「そう思うのなら、独り言は本当に一人でいる時に呟いた方がいいと思うぞ」 「今度からそうさせてもらうわ……!」
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