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「…んで誰なんですか!!!」
あれから夜ご飯食べると言って聞かないこの黒ずくめ男を放っておくわけにもいかず、簡単なものを作ってやった。
意外と料理できる系男子なんだぜ!!!!
とか抜かしていたら、黙々と食べ始める黒ずくめ男。
もう6割がた食べ進めているこいつにふつふつと腹を立て続けた俺がついにキれ、冒頭に戻る。
『んお??安心しなって〜すごい美味しいー。』
「い、いやぁ、それほどでも……ってちがぁぁぁぁぁぁあう!!!!!」
っぶねえ流されるとこだったよ!!!!!
はあはあと息を切らして睨みつけていると、おもむろに黒づくめ男が口を開いた。
『はいはいー、話すよ、ちゃんと〜。…んーとねー、まず、この世界に神様は何人いるか知ってr「ちょっとまてい!!!!」』
「…その話、長くなる気しかしない…」
『…まあ、考えてみれば長いなー結構。』
そう言いながら長ったらしい説明を聞いているうちに黒づくめ男はご飯を食べ終わり、なぜか、なぜか俺が皿を洗ってその後のティータイム(なぜかこれも俺が用意した)まで差し掛かっていた。
もう簡単にまとめると、
・神は全員で7人いる。
・神にはそれぞれ1、2人部下的存在がいる。
・こいつは俺がこの世界にくる原因となった神、セミリア・グランデの部下にあたる輩。
・セミリアが過ちを犯したことによって俺が神を憎み、恨む可能性が大いにあると他の神に責められ、仕方なく黒ずくめ男を寄越した。
…うん、つまりこいつは監視役ってことか。
…まてよ、
「いやそりゃ恨むだろが!!!!恨んじゃだめなのねえ?!!?!!神なんだったら別にそんな被害被ることなんかないだろ??!??!」
どうせ神を恨んでもかすり傷1つつかない気がするのは俺だけか?!!?!!
『んいやー、確かに、恨んだり憎んだりされるなんてことよくあるから別に大したことないんだけどね〜、問題は…』
黒ずくめ男が目を細めながら俺を指さす。
なぜか緊張してきて、ゴクリと喉を鳴らす。
『君が、神の顔を知っていることにある。』
そう言いながら黒ずくめ男は俺に近づいてくる。
「…顔を知ってるとなんかダメなの。」
ジリジリと距離を開けながら問うと、やけに色気がかった笑みを返された。
『んー、顔を知らなかったらー、恨みや憎い気持ちをほんわかにしかぶつけられないけど〜、顔を知ってるってだけでー、その気持ちの矛先が一点に集まっちゃうから、威力がだーいぶ、増しちゃうんだよね〜。まるで、針で刺されるみたいにね…?…そうすると〜信仰されてないとみなされて〜、力が薄まっちゃうんだ〜』
いつの間にか壁まで追い詰められ、顔がドアップに瞳にうつる。
その気迫に押されていると、黒ずくめ男はおもむろに、俺の顎をすくい上げるようにし話し続ける。
『だから、これからよろしくね〜。君が心の中の黒い物が溢れないようにするのが、俺の役目だから。』
「…名前は」
『俺の名前は、んーーー…クロ、でいいや。』
そしてまた、黒ずくめ男、クロは、妖異に笑うのだった。
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