第二十章〔勇者の条件〕

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オリアンの体は、逆光で真っ黒になり、黒龍の羽もさらに黒く、炎だけは真っ赤に見えた。 イムとサプは、最初僕が何を言ってるのか、わからなかったが、少し経つと、 「あ!」「あ!」 と、同時に顔を会わせた。 「勇者だ!!」 「オリアンおじちゃんが勇者だったんだ!」 それはまさに、村に伝わる「言い伝え」通りの光景だった。 僕は2人の肩を抱きなから、 「そうだよ。オリアンが伝説の勇者なんだ。 だって、僕が来る前からずっとお姉さん達を取り返そうと戦ってきたんだからね。」 「じゃあ、お兄ちゃんは?」 「う~ん、勇者の仲間かな?勇者には必ず仲間が居るんだ。オリアンおじちゃんにも仲間がたくさんいるでしょ?」 するとイムが、 「僕も勇者になれるかな?」 つられてサプも、 「僕も勇者になりたい!」 僕は2人の頭を撫でながら、 「うん!きっとなれるよ。家族を、友達を大切にする心があれば、誰だって『勇者』になれるんだ。 あ!そうだ!お兄ちゃんも勇者だ!この人のね。」 僕はそう言い、ミウの肩を抱き寄せた。
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