本編第一部〈4〉

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本編第一部〈4〉

御所へ戻ったはいいものの父の事が悲しく、正妻の意地悪は相変わらずで、もう既に宮仕えの何もかもが嫌になっている堪え性のない二条です。 ↓ 院のはからいで、母方の祖父の隆親(たかちか)とその息子の隆顕(たかあき)が亡き父に代わって二条の後見人になります。 ↓ 出家したい出家したい、子供を生んだら絶対してやる。ひたすらそう思って11月末に御所を退出……というか出奔します。 本編では、院と正妻が喧嘩して正妻が院にビンタ張られてますが、あれは創作です(^^ゞ 御所で嫌なことがあると、何かにつけて出奔するのは今後とも二条のお決まりの行動パターンになっていきます。 ↓ ゆかりある尼寺・醍醐の勝倶胝院(しょうくていいん)を隠れ家に選びます。寺の主は真願房(しんがんぼう)というちょっと調子の良い尼さん。 ↓ しかしすぐに院に隠れ家を見つけられ、しみじみ愛されるシーンをこれでもかと情緒たっぷりに描いてきます。愛され自慢ですね。 でもいつもそうなんですが、二条の隠れ住む先はどこもゆかりある所ばかりで、探そうと思えばすぐ探し出せる場所なんです。 要は拗ねて隠れることで院の気を引いているんですね。 可愛いと言えば可愛いけれど、忙しい時期にコレやられたら実に面倒臭い女です。 こういうタイプは同性をイライラさせますから、これでますます正妻の心象を悪くしたのは当然の結果といえます。
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