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序章
眩しい。
刺すような白い日差しがカーテンの隙間から、まだウトウトとする僕の顔を照らしつける。
冬の寒さと眩しい日差しから逃げるように掛け布団を頭までかぶる。
窓の外からは数匹で会話をしているかの様なスズメ達のさえずりがチュンチュンと聞こえる。
何を話しているんだろう?と少し思ったので、窓の外を意識して耳をすませてみたが僕にはやっぱり分からなかった。
そんな状態で寝ぼけている僕をたたき起こすかのように、うちの愛犬リアンがお腹から胸辺りに飛び乗ってきた。
「ちょっと、リ、リアン重い。てか痛いよ。」
眠くて声を出す事はできなかったが心の中でリアンに小言を飛ばす。
そんな僕を知ってか知らずか構わずに自分の心地よい体の位置でも探しているのだろうかリアンは僕の体の上でモゾモゾとしている。
僕の愛犬リアンはシベリアンハスキーの一歳だ。
シベリアンハスキーの犬名から“リアン”って簡単に名付けたんだが、いざ呼んでみると呼びやすくて結構しっくりくる。
雌犬なのに雄犬と変わらないくらいワンパクだ。体型はハスキー犬なりに大きく体の上に乗られたらさすがに息苦しさを感じる。
どかそうと思ったのだが、それよりもリアンの可愛さが勝ってしまう。綺麗な銀色と白の混じったリアンの頭の毛を目を閉じながら無意識で撫でていた。サラサラと右手で撫でつつ、リアンの心地よさと温もりを感じながら吸い込まれるように僕はまた深い眠りに誘い込まれてゆく。
そろそろ起きなきゃいけないのに・・・
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