もうひとつの扉

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「うん。俺もそう思う。 鉄平と過ごしたいと思ってる。 告白されて、相手の事もよく知らないし、好きになんてなれないと思ったよ。 どう断ろうかな…って考えて、上を見たんだ。 そしたらさ、鉄平が居るのが見えて、気付いたらあの子に、「好きな子がいるから付き合えない」って断ってた。 それでもう一度、好きな子のいる方を見たら、絶対勘違いしてそうだったから…慌てて、会いに行ったんだ。」 えっ?先輩…。 その話の内容だと…先輩の好きな子って、俺になっちゃうんですが…。 勘違いしそうになって、もう一度考えてみる。 うん、やっぱり俺の事好きって言ってるようなものだ。…えっ?…えっ?…えぇーーー!!! 「あ、あ、あの、それって…?」 「ごめん。好きになってしまった…。」 先輩の整った顔が…澄んだキレイな目が…まっすぐに俺に向けられている。 顔が熱い…目が滲む…なんだか…クラクラする…。 ノンアルコールのカクテルで、酔ってしまったのか? 違うな、だって、俺も気付いてしまったから。 最近のモヤモヤのワケに。 だから、もう認めるしかない。 「俺も…好きです。 先輩が他の誰かと過ごすの、イヤです。」 今夜、もうひとつの扉、開いちゃいました。
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