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自分の愛らしい造形には自覚があったけれど、同性をも惹き付けるのは嬉しい誤算だった。
貞操観念など僕にとってはどうでもいい事。
告白された上級生の情報を徹底的に調べ上げ、あまり目立たず、口が固く周りの信用があり、ある程度の家柄で、けれど単純で云いなりになりそうな奴を選んで応えた。
取り敢えず二人居れば充分だろう。
それ以上はボロが出る。
庶務の仕事は雑用が多く、生徒会室を抜ける事が多いのは有難かった。
この学園は敷地面積の割りに風紀にほぼ任せっきりで、警備が緩いのも幸いした。
把握した監視カメラには山程の死角がある。
交際を了承した二人は、体をくれてやれば簡単だった。
周りにバレて家の耳に入れば辞めさせられるから、交際は秘密にして欲しいと云えば素直に頷いた。
電話なんか使えば証拠が残る。
会う時にはすれ違いざまに周りに気付かれないよう、場所と時間を書いたメモを渡す。
そのメモは会った時に回収する。
体を繋げながら、佐河悠里の悪口をそうと悟られないよう繰り返し吹き込んだ。
表では良い顔をしながら裏で嫌がらせを受けていると、時には泣きながら。
会長を裏切り、何人もの上級生を誘惑して隠れて関係を持っていると。
魅惑的に、泣いて甘えれば二人共簡単に信じて僕の味方に付いた。
そうなればもう、僕の云いなり。
高三になれば授業に付いて行けずに落ち零れて、焦りから素行不良になる生徒が出る。
特に今年の三年は素行の悪い生徒が多い。
そいつらを唆しヤツを襲わせた。
加えて、さして高い家柄でも無く、家族思いで気の弱い生徒を親の仕事を盾に脅させた。
そいつらに噂を流させ、襲われ掛けた写真を撮らせた。
まあ自分でも、寮の風呂や監視カメラの無い空き教室や倉庫などの死角に小型カメラを設置して後で回収したけれど。
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