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エレベーターで7階に上がり、廊下を歩き始めたところで、モデルさんっぽい男性が、部屋から出てきた。
「おっ! お久ぁぁ、紫津木!」
「おう! 恭介は、もう上がり?」
廊下で立ち話を始めるモデル2人。
やっぱり華やかだな。
藍に恭介と呼ばれていた人は、ふわふわの茶髪で王子様のような顔立ちなのに…着ている服装は、ロック…て感じ?
服装に詳しくなくて、ごめんなさい。
「後残ってんの、紫津木達だけだ。他のヤツら帰った後で良かったな」
恭介さんは、オレに視線を移すと、オレの顔の高さまで屈んで覗き込んできた。
「君が噂の愛ちゃん?」
「え? は…はい」
噂…て…?
「へぇ…可愛いじゃん」
「おい! 近ぇよ」
藍は、恭介さんの肩を掴んで引き離した。
「紫津木がヤキモチなんて、可愛くなったねぇ」
「うっせぇ。……余計な事言うなよ」
藍は困ったように口を尖らせ、そっぽを向いた。
藍のそんな表情が新鮮で、思わず笑みがこぼれる。
「オレ、並木恭介。紫津木と同じ高2。
コイツの武勇伝聞きたいなら、いつでもおいで」
「んな事言って無ぇで、帰れ!」
と、軽く蹴りを食らわす藍…。
「んじゃ、嫌われたくないし帰るわ」
「おう。冗談抜きで、今度3人でメシでも食いに行こうぜ」
「楽しみにしてるぅ」と、並木さんは手をヒラヒラさせながら、帰って行った。
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