理想の恋の相手

36/39
/674ページ
「僕も同じです。朝は米と納豆に味噌汁、あとは魚があればベストですね」 「わかります!でも、なかなか朝からちゃんとした食事って作る余裕ないんですよね」 「僕も、卵かけご飯で終わらせることはよくありますよ」 意外だ。 久我さんは見た感じだと、朝から完璧な朝食を作り、手を抜くことなんてしない人のように見える。 しかも、米よりトーストやホットサンドなどを朝から優雅に食べているイメージだ。 人の内面は外見だけでは読み取れないのだと、改めて知った。 意外と好きな食べ物や嫌いな食べ物の話で盛り上がった後は、ついに恋の話題が持ち上がった。 話題を振ってきたのは、もちろん久我さんの方だ。 「そういえば七瀬さんは、最近恋人と別れたばかりなんですよね」 「……そうですね」 ついに恋愛系の話題がきた。 やはりこのまま当たり障りのない会話をして帰る、なんてことは出来なかった。 でも、遥希に浮気されたことがきっかけで別れたことはあまり話したくない。 私はどうにかして話を逸らしたかった。 「久我さんは、すごくモテそうですよね。久我さんに告白してくる女性は沢山いるんじゃないですか?」 「沢山はいないですよ」 沢山はいない、ということは……告白してくる女性は何人かはいるということだ。
/674ページ

最初のコメントを投稿しよう!