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「神官が言うには18らしいが、それ以上に幼く見えるからな。気が抜けなくて困る」
「嬉しい悩みだな」
「その通りです。今までその心配すらできなかったのでしょう?」
「まあな」
「アルベルトの好みがこんな子だとはねぇ。そりゃ迫られても靡かないはずだな、この面食い」
「一言多いぞ、ルーファ」
「おー、こわいこわい。――じゃ、そろそろ上がるか。今最終調整中だ」
「ああ、頼む。これが代金だ」
「まいど」
ルーファは金の入った袋を受け取ってグレンに渡し、俺とティーロを二階への階段へ促した。
しかし、頷いた後、ハタと立ち止まった。この店の店主のヴァリスが兄のギルベルトに負けず劣らずの屈強な男だったことを思い出したのだ。
ティーロが怖がらないだろうか。あの時のティ―ロの姿が脳裏に浮かぶ。
ティーロを振り返ると、俺の視線に首を傾げた。
「ティーロ、ここに座って待っていてくれるか?」
「どうした?」
「いや…、失礼な話なんだが、ヴァリスを見てパニックになる可能性もあるなと」
「………なるほどな。それは否定できない。グレンもいるし、まあ大丈夫だろう」
「私がお相手をしておけばよろしいですか?」
「ああ、そうしてくれると助かる」
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