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冒険者ギルドとは人類の共通の敵である魔王の討伐を志す者たちへ、有用な情報提供やパーティの編成案内、クエストの斡旋などを行う王立の組合である。
眼帯で皮鎧、毛むくじゃらのゴツいがこの町のギルド支部長であった。
「じゃ、これで登録完了だぜ。
えーと、ドラクロワか。あんたも今日から冒険者だ。
焦るこたぁねえが、これから先、魔法を身に付けたければ魔術師ギルド、剣術なら戦士ギルド、罠の解除なら盗賊ギルドと、このジュジオンにも一応あるから、職業レベルを上げたければ金を貯めて行ってみるんだな。
ま、この大陸に住む人間ならこんな説明は要らねぇか。
何か質問があるかい?」
ドラクロワは禍々しい甲冑の腕を組んで 「欲しいものがある」
「なんだ?鎧も剣も真っ黒なスゲーの持ってるじゃねぇか。親父の形見か?
ま、言ってみな。あんたら冒険者の相談に乗ってやるのが俺の仕事だ」
汚い髭面は頼もしかった。
「そうだな。一番弱い仲間が欲しい。」
「は!?弱い?強えーの間違いだろ?
分かった、直ぐにひまこいてる、」
「いや、間違えてはおらん。レベル最弱の戦士と魔法使い、それと盗賊か。
どれも見てくれの良い女がいい」
そう言うとドラクロワは漆黒の手甲を握り、無造作に前に突き出し、受付カウンターの上にそれを乗せた。
開くと金属音。
カッ!チャリン!チャリン!
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