杉本麻

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 目がくりくりした感じの可愛い系は好みじゃない。だから一条や野々宮は範疇外だった。 「じゃあ塚越くん」 「けっこうタイプなんだけど、相変わらず一条くんとラブラブだし。もう男は余ってません」  ため息を吐きながら言うと、姉までため息を吐いた。 「あんたさ……もうちょっと可愛げってもんを身につけたら? ミシンかけてるときの表情、怖いよ?」 「そう? じゃあいいなって思った人の前ではミシンかけないようにする」  というか、同じ部活内で恋愛しようとは思わない。外で出会いがあれば良いと思う。 「ほんと、ルックスはいいのにね」 「お姉ちゃんほど良くないよ」  姉は名前通りの美人だった。「絹」。品があって鼻と唇の形が美しくて。長い髪も艶がある。 「服のことばっかり考えてるもんね、麻は。あと、私と仲良すぎなのかも。姉離れしなよ」  そういわれてみると、そんな気がしてきた。  姉とは仲が良い。土日はよく、一緒に外に出かけている。服屋、布屋、映画。  姉がいなかったら、寂しい。 「っていうか、お姉ちゃんだって、妹離れしたら?」 「あーそれね」  姉が苦笑しながら、ブラウスを羽織って一回転して見せた。了 ※これにて番外編終了です。お読みくださりありがとうございました。
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