749人が本棚に入れています
本棚に追加
/329ページ
目がくりくりした感じの可愛い系は好みじゃない。だから一条や野々宮は範疇外だった。
「じゃあ塚越くん」
「けっこうタイプなんだけど、相変わらず一条くんとラブラブだし。もう男は余ってません」
ため息を吐きながら言うと、姉までため息を吐いた。
「あんたさ……もうちょっと可愛げってもんを身につけたら? ミシンかけてるときの表情、怖いよ?」
「そう? じゃあいいなって思った人の前ではミシンかけないようにする」
というか、同じ部活内で恋愛しようとは思わない。外で出会いがあれば良いと思う。
「ほんと、ルックスはいいのにね」
「お姉ちゃんほど良くないよ」
姉は名前通りの美人だった。「絹」。品があって鼻と唇の形が美しくて。長い髪も艶がある。
「服のことばっかり考えてるもんね、麻は。あと、私と仲良すぎなのかも。姉離れしなよ」
そういわれてみると、そんな気がしてきた。
姉とは仲が良い。土日はよく、一緒に外に出かけている。服屋、布屋、映画。
姉がいなかったら、寂しい。
「っていうか、お姉ちゃんだって、妹離れしたら?」
「あーそれね」
姉が苦笑しながら、ブラウスを羽織って一回転して見せた。了
※これにて番外編終了です。お読みくださりありがとうございました。
最初のコメントを投稿しよう!