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「恥ずかしいけど……でも、嬉しかった」 倉田さんを助けるために、あんなにも堂々と話していた姿は、見蕩れるくらいかっこよかった。 目の前にいる中野くんが少し申し訳なさそうにしていても、もうそのかっこよさは損なわれない。 「良かった。あんな告白になっちゃったけど……大事にするから」 「う、うん……私も、中野くんのこと、大事に、する」 バクバクと煩い心臓の音を消してしまいたい。 嬉しくて、信じられなくて、夢見たい。 そう思っていると、ポンと頭に大きな手が乗った。 「日南子」 「はい、えっ、ひな」 「日南子の優しいところが、好きだよ。これからはクラスメイトじゃなくて、彼氏としてよろしくな」 「はい!……大翔くん、こちらこそ、よろしくお願いします」 「そういう素直なところも、かわいい」 そう言って、大翔くんは私の頭を何度か撫でて、一緒に帰る約束をして席に戻っていった。 こうして、あんなにぼんやりしていた彼は、相変わらず無口だけど、優しくて男らしくて、頼れる彼氏になった。 *終*
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