29(承前)

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 タツオには進駐軍がほんとうの自分の居場所かはよくわからなかった。いまだに本土決戦以降の身の振りかたを迷っている。このまま軍に残るのか、あるいは軍籍を離れて別な仕事を見つけるのか。もちろん「須佐乃男」の時間加速効果によって、作戦後の肉体年齢は40歳以上も加齢してしまうだろうが。それでも生きている限り、なにかをやらなければならなかった。引退などという選択肢はあり得ない。  ジャクヤがいった。 「人にあれこれきいてるクニはどうなんや。ちなみにぼくのは百合ものやった。ぼくは男の裸見たくないんや。女同士のほうが清潔でいい。それもできればロリータ同士がいいんよね。やっぱりあまり胸のでかい女は、生ぐさくてあかんよ」  クニが低く口笛を吹いていった。 「ジャクヤもたいがい歪んでるな。ロリータレズものかよ。うーんと、おれは近親相姦的なのが好みだね。やさしい姉ちゃんと親がいないあいだにラブラブでエッチするとか。その手の甘々のハッピーエンドが絶対好きだ。暴力的なのとか、嫌がってるのを無理やりみたいなのはパスな」
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