cherry blossomの恋

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そう言いながら、先輩も私に近寄ってきた。 しかも、さっきまでの切なそうな声とはまた違う、なんだか余裕がたっぷりある大人の男の人の声で。 近寄って見た先輩の瞳は、ニッコリと微笑んでいる。 ほら、続きを言ってごらん。とまるで促されているみたい。 「え、えと、それは……」 「悲しいな。せっかく中学でも高校でも可愛がっていた美亜ちゃんにこんな態度を取られたまま卒業するなんて」 「だから、ご、誤解です! だって先輩は卒業しちゃうし、県外の大学に行くからもう会えないし。だから、会えなくなっても寂しくならないように予行練習をして、好きって気持ちも過去形にしないと……」 そこまで言って自分の口を自分の両手で塞いだ。 私、今、「好き」ってはっきり言っちゃったんだ!!
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