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出た芽が大きくなるにつれ太さを増して行き、凹んだ大地からは底の方から水が涌き出る。
それは徐々に範囲を拡大していき、最終的には俺の思い描いていた景色になった。
「スゲェェエエエエーーーーーーッ!!」
そりゃまぁ叫びますとも。本当に『凄い』以外の言葉が出て来ないほどの圧巻たる光景だった。絶対に日本に居た頃には見れなかった光景だ。
…………ダンジョンコアさんとこの景色を見たいと思うのは、我が儘なのかな。
うん。無くして気付くってやつだね。ダンジョンコアさんが居ないの、結構どころかかなり悲しいわ。
ダンジョンコアさんのレベルが上がってまた復活させることが出来るようになれば、絶対復活させる。
よし、新たなる目標が出来たし、この調子で自然を作って行きますか!
っと、その前に。
「みんな!これが自然という物の1つ、木と水だ!
木は背の高いやつの事で、水は俺やみんなの顔が写ったり冷たかったりするやつだ!
木は種類が有るけど、取り敢えず木とだけ覚えてくれたら良い!
水に関しては飲める水をイメージしてたから、たぶん飲める水だ!飲んでみるのも良いと思うぞ!
じゃあ俺は他にやりたいことも有るし、各々自由に行動しちゃって!」
それだけ言って、俺は走り出した。
走る必要はないし、なんだったら此処に居る誰かに運んでもらった方が早いけど、今回は走りたかった。
その後、俺は走り着いた先々で自然を作ってはまた走った。
そして山を、海を、崖を、湿地を、森を、湖を、平原を、たまにモンスターが湧かない安全地帯に沿って木を生やした。
途中、ヘラスフォダラーやドラゴンさんも手伝ってくれたりしながら自然を作った。
それ等全てを行うのに、5年掛かった。
そんな5年の後、久し振りに脳内に懐かしい声が響いた。
『お久し振りです、マスター……』
唐突に聞こえたその声に、俺は思わず立ち止まり思考を停止させた。
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