入れ替わり

17/18
96人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
「手首持ったら引く、脇の下に手を入れて上げる、てこの原理で」 修道士の体は宙に浮いた。 「やった」 由香はニコニコ笑った。 「何やっているのよ、 こんな時に……」 ミラは亮を見て呆れていた。 ダークエンジェル女子達は 修道士を倒し、奥まで進んだ。 修道女達は奥の扉前で手を広げて、ミラ達を阻止した。 「通しなさい!」 「嫌です!ステファノス様の命令です」 修道女達はしゃがみこみ、 手に持つたナイフを首に当てた。 「1番やばいやつだ」 小妹はため息を付いた。 「どうしても言うなら、私たちは…」 「そうか…君たちは何を信じているんだ、神かステファノスか?」 亮は修道女達の前で胡座をかいて身を低くした。 「それは…」 「ステファノス様です」 一人の修道女が言った。 「神では無いんだな」 亮が修道女の目を見つめた。 「いいえ、神です」 もう一人の修道女が言った。 「二手に分かれてたな」 「では聞こう、全知全能の神がいるのになぜ戦争が起こる、餓える者がいる?」 「それは…祈りが足らないからです」 修道女の1人が言った。 「全員マスクを取れ!」 「えっ、女性?」 修道女が声を上げた。 「そうだ、彼女達は日夜訓練を重ね、世界平和の為に戦う女性達だ。ピストルを持っている者と戦い、死ぬかもしれない。しかし彼女達は恐れない、使命を持っているからだ、そして信じる物があるからだ」 「信じる物?」 「そうだ、信念と仲間だ。 我々を信じる者、そのナイフを彼女達に渡してくれ」 ダークエンジェル女子達には亮の言葉に感動して涙を流す者が居た。 そして、一人二人とダークエンジェル女子にそれを渡して行って、修道女はダークエンジェルに抱きついた。 そして、最後の一人はナイフを離すこと無く自分の首にナイフを当て引こうとすると亮はナイフを素手で掴んだ。 「あっ!」 周りが声を上げると 亮は微笑んだ。 「死んではいけない、君には未来がある」 亮はナイフを取り上げ拳から血を流すと小妹がマスクで亮の手を縛った。 「また、無理して!」 「大丈夫ですか?」 由香が青い顔をして 亮の手を両手で握った 「うん、僕は傷の治りが早いんだ」 「修道女の皆さん、協力ありがとう。 入ります」 扉を開けるとその先には沢山の箱、瓶、ダンボール箱と金が有った。 「凄い」 ミラが声を上げた。 「ミラ、早く連絡をここは我々が見ています。ティムとアレキサンダーもいますから」 亮が言うとミラは電波の届く場所へ走っていった。
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!