戦さ場

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此処で死ぬのか?!俺は! 「う〝う〝お〝お〝お〝お〝お〝ーーっ!!」 俺は全身を震わせ、 腹の底から、死の唸り声を絞り出した びゅうぅううーー!! 突然、突風が!! 桜の花びらがバチバチと小石のように、ぶち当たる 花びらに当たるや、敵兵の身体に穴が空いた 「ぎゃあーっ!」 つん裂く叫び声を揚げ、敵兵は一瞬にして消えた 消えた後には桜の花びらが小さな竜巻となり、舞っていた 突風の中、音が聞こえる 微かに 音が徐々に大きくなる 音…音色… 花びらは流れてくる音色の風に乗り、舞う 熱い気が身体を覆う 今なら と、刀を振りかざし、残る敵兵を斬り付けた 手応えはあった! 花びらは刀を包み、敵兵はまたも叫び声を揚げ、消えた 足が軽くなる 下を見ると、どす黒い無数の手は1つ又1つと、消えていった あの音色が響く 笛の音 桜の花びらは笛の音色に合わせ、俺の周りをくるりくるり舞った フワリとし、まるで薄衣を纏っているような感触 丘の上の桜の木 あそこまで行かねば 歩き出す俺を、笛の音は優しく包み込んだ なんとも懐かしい音色 俺は微笑んだ 心の中で呟く お前なんだな
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