その先に見えるもの7

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 殺伐とした空気が一変して穏やかになった時、連動するように爽やかな風が私たちを包んだ。  そんな中、鏡司がフッと笑って口を開く。 「んじゃ無事に和解出来たっつー事で、祝いにこいつも連れて酒飲みに行くか」  鏡司はバカ西に話を振った後、確認するように私たち三人を見た。 「おっ、それ良いな。こんなとこで話してんのもなんだし、とっとと行くか」  大樹は笑顔で同意して、秀人と私に視線を移す。  秀人も私も頷いて同意の意思を示した。 「本当に俺も行って良いなら、そいつらも誘いてえんだけど。迷惑かけちまったし。良いかな?」  バカ西は一瞬悩んだ後、倒れている奴らに視線を移して私たちに確認を取る。 「大樹たちが良いなら良いんじゃね?」  鏡司は再び私たちを見てきた。 「俺は良いよ。誘ってみる?」  秀人はあっさりOKして私と大樹に聞いてくる。  あの五人組も居んのに、秀人は嫌じゃねえのかな? 「俺も良いけど、美咲は……、大丈夫か?」  大樹が心配そうな表情で私を見てきた。  多分大樹は、秀人たちが来る前に私が何をされそうになってたか知ってるから、それを気にしてくれてんだろう。
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