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辿り着いた答えに勘違いじゃないかと感じて目の前の泰星の瞳を窺ってみると、燃え上がりそうなくらい熱を持っているようにしか見えない。
本当に……私を好きなの!?
泰星の言葉の意味をやっと理解すると、全力疾走したみたいに速さを増す鼓動。
だってそんな風に考えたことがなかったし、告白なんて人生で初めての経験。
動揺しない方がおかしい。
「アハハ!笑えるくらい、顔真っ赤!」
私の目の前まで辿り着いた泰星は愉しそうに笑うと私の手を突然掴んできた。
マックスまで上がっていると思っていた鼓動が更に跳ね上がり、全身がサウナに入っているんじゃないかってくらい熱い。
「何すんのっ!?」
「手、握りたかったから。ダメ?」
首を傾げて甘えるように訊かれた。
握られている手はいつの間にか私よりも大きい男の子の手。
初めて泰星を意識した私は、握られている手が一気に汗ばむのを感じた。
やっぱり私は、君に勝てそうもない。
End.
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