もっと一緒にいたいのに。

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さっきは急いで駆け寄ったからすぐに通り過ぎちゃって気づかなかったけど、二段目にのると、そうちゃんとばっちり目が合う高さだ。 いつも見上げていたから、なんだか不思議な感じがする。……照れる。 真正面に並んだそうちゃんが、またわたしの頭に手のひらをのせた。 「目線が一緒だと、もっと変な感じがする」 「うん、そうだね……!」 ぼぼぼ、とほてる頬を意識すればするほど駄目で、どんどんどんどん暑くなってきて、うわずった声がもれた。 高さを測るように覗き込む切れ長の瞳に、焦る。 ……わああ。近い近い近い。 えっと、どうしよう。どうしようほんと。 さっきの比じゃない。比べるまでもなく照れくさい。 そうちゃんはわたしが固まったのをいいことに、いろいろ試してみている。 ぽんぽん手を上下に往復させながらわたしの顔を覗き込んでみたり、じーっとこちらを見つめてみたり、納得するまで自由気ままに距離を確かめている。 ふーんとか、へーとかもらしていて、こう、妙に好奇心旺盛な感じである。 あんまりにも近い距離に耐えられなくて、わたしは照れて目を泳がせて固まるばかりなのに、そうちゃんは全然照れてなんかなくてずるい。 ……ドキドキするのはわたしだけ、なんて不本意だ。 しばらくふむふむやっていたそうちゃんは、五分か十分経った頃、もう充分満足したのか、なぜか「はい」と手を差し出した。 はい、とは。 ねえ。 はい、って一体何。何この手。 わたしはどうしたらいいの……!!
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