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「え?」
そうちゃんの声が引っくり返った。
びっくりしてるのは分かるんだけど、ぽかんとした顔でわたしをあんまり凝視するから、耐えかねて思わず視線が泳ぐ。
は、え? え? などと口を開け閉めし。
瞠目してわたしを見つめ。
その頬に、じわり、朱が差す。
……うう。恥ずかしい。
わたしもそうちゃんに負けず劣らず赤い顔なのは分かっている。
分かってるけど、恥ずかしいけど、でも……!
言うって決めた。後悔しないって決めた。
今度こそ。今日こそ。
わたしの誓いは、今こそ誓いであれ。
頑張って視線を上げて、ちゃんと目を見て、もう一度繰り返す。
「つなぎ、たいんだ、けど」
少し前に出て。自分から腕を伸ばして、おそるおそるそうちゃんの手をすくう。
そうっと触れさせた指先に、そうちゃんの大きな手は、びくりと跳ねた。
「っ」
「あ……えっと」
腕を引っ込められはしなかったけど気まずくて、固まる。
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