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「石川県? 僕行ったことないや」
「じゃあ、旅行しよう?」
僕とみのりんちゃんが付き合ってから早3ヶ月がたった。
みのりんちゃんは今、ジュピプロの近くに住んでいるのだけど実家は石川県なんだよね。
というわけで、実家に挨拶も兼ねて石川旅行に行くことにした。
早速準備をして、北陸新幹線に乗って、東京から金沢に向かった。
道中僕は窓から変わる景色をじっと眺めていて、それをみのりんちゃんは不思議そうに見つめていた。
「外……珍しいの?」
「うん、仕事以外であまり誰かと遠くまで出かけたことなんてなくて」
「そっか、ゆっくり見ていていいよ」
子供のようにはしゃぐ僕の様子を、何も咎めずただずっと手を繋いで見守っていてくれるその優しさが心地よかった。
「ついた!!」
「わぁ~帰ってきたって感じする!」
みのりんちゃんと一緒にこれから観光名所を巡る予定でいるから、僕は彼女の案内に従って行動することにした。
金沢駅からすぐの『ひがし茶屋街』に入ると、そこは江戸時代にタイムスリップしてしまったかのような情緒溢れる雰囲気で、ゆっくり街の様子を眺めたり、有名な金箔を使ったお土産も買うことが出来るんだって。
「尚くん、金箔入りの化粧水があるよ」
「わお、これでもっと僕、肌綺麗になるかな」
「今のままでも十分綺麗なのに」
「みのりんちゃんもね」
手を繋いで歩いていると、突然、すれ違いざまに誰かに声をかけられた。
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