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ふたりの間の距離感だとかを調整して、気が付けば、いろいろとしゃべってしまっている。もうちょっと下を向いて、とか。早苗にだけでなく、井川先輩にもいろいろと指示を出してしまった。
けれど、なんかどうあがいても、違う。
脚本の中では、私と近い、少女が告白をされていた。けれど、ビューファインダーの中ではどうだ。彼も彼女も、なんだか遠い。それがどうしてなのか、よく分からない。
何回か試行錯誤をして、けれど、陽が落ちてしまったから切り上げた。
「沙織……、まだ、納得が行ってないみたいだけど」
早苗が、勘の鋭さにおいても女子力を発揮する。私は、目を泳がせながら、なんとか流した。
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