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彼の目線は明らかに僕の体を一瞥した。
つまりはそういう意味で彼は言ったわけだ。
僕は2つの意味で発言者に対して微笑む。それには決して了承の意味は無い。
明らかに僕をそういう目でしか見てないという蔑みと、この微妙になった空気をどうしてくれんだよという意味で鉄壁の微笑みだ。
僕の笑顔を一瞬理解の意味を示したのかと思ったのか一瞬イヤらしい目線を一部の冒険者達が向けてくるが、目が全く笑っていない僕に気がつくと、ほんの少しだけたじろく。
そしてほんの少し沈黙が続いた…。
「もういいわ。めんどくさい。」
「…へ?」
高ランク側から唐突に現れた女性冒険者の一言で、その場に流れていたどうしようもない空気をぶった切った。
「あんたみたいなのがいるから、評判も下がるのよ。変態。
そもそもこんな面倒な集会を開くだなんてあんたらが勝手に言い出したことでしょ。
私は休んでるから勝手にやれば?」
彼女…キアラさんはそう言って、足早にど真ん中を横切った。
初めの印象とはまったくの別人かと思ったのは気のせいじゃないと思う。
多分だけど、僕をチラ見したのも気のせいだと思うんだ。
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