第四章:希光

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「ファクター部隊、接敵!戦闘、開始されました!」  AAA二番艦で通信士が報告をしてくる。ローヴィは冷静に「了解しました。AAA三番艦に通信を繋いでください」と伝えた。通信士が「了解!」と返した直後に天井のモニターにAAA三番艦の艦橋が映し出された。 「カオルム中将、こちらはいつでも構いません。ご指示をお願いします」 『ふむ。今は様子を見よう。いきなりカラスが現れてもおかしくは無いしな』 「そうですね…その場合は…」  ローヴィが口にした時に通信士が「レーザー、来ます!」と報告をしてきた。直後、赤と白の螺旋状のレーザーが離れたCCCに直撃し、CCCは撃沈する。 「レーザー!?宇宙軍にレーザー兵器を持った機体はカラスしか…!」 『待ちたまえ。弾が明らかに違った。それに、あれほどの口径の弾をファクターが撃てるとは考えにくい。望遠カメラで様子を見た方が良いだろう』  ガラッドの冷静で的確な判断にローヴィは「…了解」としり込みをする。そして数秒した後に通信士が報告をしてくる。 「望遠カメラに未確認の機影を確認!敵の新造艦です!」   「新造艦…距離はどうなのです?」 「ダメです!射程圏外です…!」  この報告にローヴィは考えを巡らせる。だが、答えが出る前にガラッドが指示を出してきた。 『こちらは射程圏内だ。ファルグ中佐、すまないが、世界連合軍の殲滅の任、先に遂行してくれないか?あの新造艦を放置するわけにはいかない。戦況が落ち着いたら我が艦も向かう』  ローヴィは「了解しました。面舵を!」と艦を世界連合軍が向かって来ている方角に向けさせた。
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