愛を叫ぶことに際限は存在しないらしい * side Haruhiko Sakai.

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***  怒涛の『コール』があった日から三ヶ月。  相変わらず、俺たちは四人で仲良く過ごしている。  『コール』で傍若無人な行為をしたため、全校生徒から遠巻きにされていた三条は、気付けば学校を辞めていた。だが、三条が学校を辞めた理由は、留学したいと目星を付けていた学校からの編入許可が下りたという前向きな理由だったと聞き、少しばかり残っていた心の支えがこれにて消える結果となった。  今後、三条に再開することがあったとして、俺は仲良くする自信はない。助ける気もなければ、気遣う義理も持てそうもない。だが、リナにした失敗を忘れずに、二度と繰り返して欲しくないとは切に願う。俺が三条を嫌いだから、世界中の人間に嫌われて欲しいと願っている訳ではないのだから。  さて、穏やかに過ぎる日々の中。  嵐を携えてくるのは、他ならぬリナだった。 「で、リナは何をバカなことを言ってるのかな?」 「バカなことじゃないし! ハルの愛の叫びも聞いてみたいんだもん!」  街に買い物に行くために、四人で待ち合わせをしていた休日の午後。先に待ち合わせ場所で合流していたリナに、俺は無理難題を吹っ掛けられる。 「今までは、ね。私が叫びたいから、愛を叫んでた。それはそれでいいんだけど」 「ならそれでいいじゃない」 「でも、たまには私も聞く側にまわりたいと言うか」 「却下。てか、別にそういう理由なら俺でなくても良いだろ?」  ただただ愛の叫びを聞きたいならば、何も俺である必要性はないはずだ。そう物申す俺に向かって、瞳をキラキラとさせてリナは語る。 「え、勿論。カオリやカオルにも頼むよ? だって、三人の愛の叫びを聞きたいんだし!」
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