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当たり前すぎて気づかなかったこと。
中学ぐらいまでは湯船につかっていたが、熱いとか面倒くさいとかで、冬の寒い日以外はシャワーで済ますようになった。親は追い炊きしたりなんかしながら毎日湯船につかっていたから、つからないなんてもったいないと言っていたが湯船につかっている時間をもったいなく感じていた。
高校を卒業して大学に入ったが、1年休学してニュージーランドへ語学留学した。
そこでとんでもない衝撃が俺を襲った。
「え? 浴槽、ないの?」
ホームステイも面倒だしと学生寮に入ったら、風呂は共同のシャワーブースしかなかった。シャワーヘッドは一応外せるものだったが足元には排水溝があるだけ。確かに最近は風呂につかっていなかったが目が点になった。
当たり前にあったものがなくなると無性に入りたくなるから不思議だ。しかも水資源は貴重らしく、あまり長時間浴びないようにと寮監のおばちゃんに言われた。
「ニュージーランドの水はまだ飲めるからいいよ。他の国のはさすがに蛇口からの水は飲めないもんね」
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