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「跡が消えるまでに会いに来て」
なんて言ってたから、日を置かずに呼び出されるのかと思いきや、沙原コーチは結構忙しいらしく、あの日から放置されたままの私。
電話やメールは毎日あるけれど。
彼の都合のつく日は私に用事があったりして、いざ会いたいと思うとなかなか会えないものだったりする。
思いが通じあって、なのに会えなくて。
切なさは日々募るばかり。
唯一陸のサッカーの送迎の間だけ会える。
といっても、それは私だけじゃないから、子供達の保護者がうようよ居て。
会話なんか出来るはずもなくせいぜい挨拶程度。
これじゃあ以前と何にも変わらない。
思わず溜め息もこぼれ落ちる。
コーチの周りには相変わらず華やかなお母様方が取り囲んでいる。
コーチは私のものなのに…。
言いたいけど言えない。
以前と変わらないどころか、以前より、悪い気がする。
コーチもコーチだよ。
なんでお母様方に好きにさせてるかな。
へらへら嬉しそうに笑って。
腹立たしいったら。
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