7人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
きらい→すき
生徒たちが部活に励む中、私は生徒会役員の仕事をしていた。
一人で大量の資料をダンボール箱に詰め、それを職員室まで運んでいく。
生徒会室から職員室までは意外と距離があるから大変ではあるのだが、できないことはない。
あまり力がある方ではない為、休み休みなんとか運んでいた。
「──あっ!」
少し痛くなった手を感じながら一度下ろそうかとした時、バランスを崩して廊下に飾られた花瓶に激突してしまった。
この学校は、廊下を走らせないためか、廊下の端に机が置かれていて花が飾られているのだ。
それはいつも目を楽しませてくれるものだったし、割と効果はあった。
でも、今は厄介なことになったしまった。
私は真面目にやっていても、視野が狭いのかうっかりミスをしてしまうことがある。
やってしまった。
幸い荷物は無事だったものの、花瓶は粉々、廊下は水浸しだ。
先に後片付けをしなければ、生徒が通った時に危険だろう。
とりあえず資料を置けそうな場所を捜し、辺りを見回すと、丁度 通りかかったらしい男子生徒が床に視線を落とした。
「……君が壊したの?」
最初のコメントを投稿しよう!