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ていうか、知ってたのに彼女のフリしてとか言う?
鬼か、鬼なのか!
今度は青くなる私を見て、先輩は愉快そうに笑う。
「とりあえずさ。
花火大会、行くか」
「ハイ!……はいっ!?」
条件反射のように返事をしてしまってから、何の誘いを受けたのか気付く。
「えっ!? 花火大会ですか!?」
嘘でしょっ?
「何だよ、嫌?」
いえいえいえいえ、滅相もございません。
夢じゃないかと自分の頬をつねってみる。
「何やってんの」
呆れたように溜息を吐かれて、ぷに、と先輩にも頬を摘まれる。
「ゆ、夢かと思って」
「じゃあやめる?」
「えぇ!!嫌です!!」
思わず全力で否定してしまった。
これはマズイ。私の恋心ったらダダ漏れだ。
先輩は、 ふっと笑いながら、今度は私の鼻をムギュッとつまむ。
「じゃあ、約束な」
「はひっ!」
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