第1章 真優の想い

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「もぉ おじさんなんて きらいよ!」 バタンと扉をあけて飛び出した 「おい!真優」 達郎おじさんの声が追いかけてきたけど 無視して私は階段をかけおりた 玄関で靴をひっかけて飛び出す 今にも雨粒が落ちてきそうな空模様に 少し戸惑ったけど構わず庭に向かった おばあちゃんが毎日丹念に手入れしている 赤や黄色の花々や木々の間を走り抜けると 春の香りとともに少し湿ったような 空気の匂いが交じりあう 庭の片隅にある木のベンチに 倒れ込むように座り込んだ すぐ後ろは物置小屋になっていて 屋根と壁に覆われているから 少しくらいの雨は大丈夫だ
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