81人が本棚に入れています
本棚に追加
/236ページ
「もぉ おじさんなんて きらいよ!」
バタンと扉をあけて飛び出した
「おい!真優」
達郎おじさんの声が追いかけてきたけど
無視して私は階段をかけおりた
玄関で靴をひっかけて飛び出す
今にも雨粒が落ちてきそうな空模様に
少し戸惑ったけど構わず庭に向かった
おばあちゃんが毎日丹念に手入れしている
赤や黄色の花々や木々の間を走り抜けると
春の香りとともに少し湿ったような
空気の匂いが交じりあう
庭の片隅にある木のベンチに
倒れ込むように座り込んだ
すぐ後ろは物置小屋になっていて
屋根と壁に覆われているから
少しくらいの雨は大丈夫だ
最初のコメントを投稿しよう!