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「二人で旅行とか楽しいな!!」
俺は旅の目的はとりあえず、おいといて言うと、真樹がうなずく。
「せっくすもするだろうしなあ!!」
「声のトーン、声のトーン」
うっきうきの俺に、真樹が赤い顔をしてひじでついてくる。
「とりあえずまた会えてよかったし、とにかく、博物館の神様に話をつけにいこうぜ」
神様に、俺たち今回はちゃんと幸せになりますから、生まれなおすのはもう結構です、ってちゃんと伝える。うん、いろんなことはそれから始まる。
「前」の時、またチャンスがあるのなら「どうか二人で」
ただシンプルにそう願った。
願いは叶えられたのだから、俺に何の不満もない。あとは大事に生きるだけ。
「俺は、お前をずっと監視したい、って願ったけどね」
「顔怖いよ」
俺は言うと、人目も気にせず真樹の手を握った。とてもあったかくて、ただ嬉しかった。
「ま、なんていうか、意味は同じだよね二人とも」
「まあな」
俺らはこれから再会を終わらせる旅に出る。
もうなんというか無敵としか言いようのない気持ちだ。さっさと用事をすませたら、今度こそは本当の意味でラブラブハッピーエンド。
……なんてその時は本気で思っていた!
けれどことはなかなか複雑に絡んでいて、長い長い旅になってしまって、結果、博物館を襲撃することになるのだけど、それはまた別の機会にするよ。
(博物館襲撃前夜譚・終)
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