好きだけじゃ足りない-2

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「望愛、その言葉の意味、ちゃんとわかってる?」 「わ、わかってます!わかってるから、言ってるんです!」 望愛の真剣な表情からは、彼女の覚悟がしっかりと読み取れた。 「本当に、いいの?……多分、途中で止められないよ」 「だ、大丈夫、です……」 僕は何度も確認した。 いざ彼女の肌に触れてしまったら、途中で止めるなんて不可能だとわかっているから。 見つめ合い、彼女の身体に手を伸ばそうとした瞬間。 スーツのポケットに入れているスマホが音を鳴らした。 着信相手は、葛城か、もしくは柊さんか。 画面を覗くと、正解は前者の方だった。 「……葛城からだ」 「ど、どうぞ!電話、出て下さい」 葛城からの電話を無視するわけにもいかず、僕は彼女の前で電話に出た。 電話の奥からは、普段通り淡々とした口調で話す葛城の声が聞こえる。 「副社長、今どちらに?まさか本気で戻ってこないおつもりですか」 「だから、会社を出る前にそう言っただろ。それより、どうした?何かあったのか」 「えぇ、実はB社との開発商品の件について……」 よほどのトラブルがあれば僕が行かなければいけない立場にいるけれど、葛城の話を聞いた限りでは他の者に任せられるような内容だった。
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