嘘だらけの金曜日が。

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(1) 「おぉ~い!山田ぁ~!」 店から出たところをいきなり呼び止められた。 今日は、金曜日。僕は、その今日をもって長年勤めていた会社を辞めた。今しがた送別会も終わり、帰路につこうとしていたのだが…… 「何でしょう……?」 振り向くと、肩をガッチリと掴まれた。 「なぁ山田ぁ、お前は本当に山田なんだよなぁ??」 その息は、酒臭い。 完全に出来上がっていらっしゃる…… さっそく面倒なことに巻き込まれそうな予感がした。 「よし、折角だ!飲み直すぞぉ~!!」 しまった、先手を打たれた…… 「え、いや……あの、僕帰ろうと……」 しかし、彼にとってそんなことはどうでもよかったのだろう。彼は僕の意思を全く無視して、目の前の店へ僕を引きずり込んだのである。
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