夕陽の時計塔

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夕陽の時計塔

あなたは幽霊を信じていますか? ********************* キーンコーンカーンコーン 四限目の終わりを告げる鐘の音が鳴り響き、昼放課が始まる。 あと三時間で今日の授業も終わり。 私は大きくあくびをすると弁当を食べ始めた。 女子高生というのは昼食を群れとなって食べる習性があるが私は一人で食べる。 それはそもそも私がそこまで社交性の富んだ性格をしておらず、また時季外れな転入生だったからだろう。 私は彦坂桐華。 この私立空教館高校に今年転入してきた高校二年生の女子高生だ。 先ほど社交性に富んでいないと言ったが別に根暗というわけでもない。 話しかけられたらしっかり対応するし平均程度の会話力はあるつもりだが、裏で怨念渦巻く女子世界にあまり関わりたくないのと高校二年生という微妙な時に引っ越してきたのでなんの用事もなく話せる相手、つまり「友達」と言える友達がいないだけだ。 とは言ってもクラスの人たちも表立って自分のことを嫌っている様子もないので今の生活は嫌いではない。 だが喫茶店などで仲良くしている学生を見ると少し羨ましく思える。そんな生活。 とはいえ今の生活に十分に満足しているしこんな高校生活も悪くないと思えるのだ。
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