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「おい、ジェイド、朋樹ー!」
「もう空港に向かおうぜ。自分の荷物持てよな」
騒がしいことだよな と
バールから出てきた ルカと泰河に
朋樹が ため息をつく。
「だが、僕らは兄弟だ」
ヒスイに眼を向け
「そうだな」と、僕の肩に手を置く朋樹に
「それは まだだ」と答えると、笑って
「心の準備が出来たら言えよ」などと言い
肩の手を離し、ヒスイの手を取った。
「行こうぜ。オレ、飛行機乗り遅れて
空港で寝るとかイヤだしさぁ」
ルカが 僕にスーツケースを渡す。
「そうだな、行こう」
見上げた風船は、もう空の星ほどの大きさだ。
フリオに届くといい
僕も、通りを歩き出した。
******** 「罪の女」 了
本編は 万象 次の巻
「泥濘」に 続きます。
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