夢幻回廊

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 アスターの詠唱が曲刀に絡まる。  あれは俺のように象徴の力の属性を溜め込むことはできないが、何度も何度も象徴の力を強化した結果、曲刀自体の属性を変化させることができるようになったらしい。  曲刀に絡まった力は、炎、水、大地、風……。 「四方の守りは我と共に、天地の裁きは汝の元に、集え黄泉の旅路を終えしもの……四大元素光(プリズミックシャイン)!!」  四つの光を纏った剣が、リナに向かって振り下ろされる。  リナはそれを受け止めようとする中、彼女の動きを止めようとクレマチスの詠唱が完成する。 「天の光は大地に注がれ、地に落ちる影は伸び、世界はふたつに分け隔たれた……聖十字架(ヘブンズクロス)!!」  光が彼女を拘束しようと動く。  リナはそれを踊るように避ける。気のせいか口元には笑みが浮かんでいる。  相変わらずカルミアが彼女に対して氷で足止めしようとしてはいるが、リナは足の裏にスケートでも付けたかのように、氷をつるりと滑って避けてしまう。  まるでここは舞踏会場で、彼女はこの場で舞を披露しているようにすら思える。  彼女はますます周りに苛立ちを募らせ、自身を殺させようとしている。……俺はどうすればいい?     
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