君キス2~戦う女

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「あの……ね」 「うん?」 優しい声音の返しに、甘えてもいいんだとほっとする。 けど、何を言おうと考えて来たわけではなかった私は、上手い言葉が見つからない。 「……電話、欲しい」 「え?」 「遅い時間でもいいから」 改めて言うことでもない、彼はいつも、出張中の時は、例え遅くなっても一度は連絡をくれている。 だけど、だからこそ今回に限って電話が鳴らないようなことになったら、と頭をかすめた。 「出張、やだ」 通らないとわかっているワガママを、再び俯いて口に出すと、手を伸ばし彼のスーツの袖口を握りしめる。 「早く帰って来てね」 本当は四六時中だってこうして傍に居たいくらいだけど、それは現実的じゃない。 返事のない彼が気になって、ちらっと視線を上向けた。
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