近衛隊長の処女懐胎

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バシリーの驚愕に気が付いたのか、ギルベルトは悲しげに顔を歪めた。まるで許しを請うように、バシリーの手の甲に額を押し付け、俯いてしまう。 「すまないバシリー、すまない。剣の道を歩んできたバシリーには、辛かったと思う。浅はかだった私を許してくれ。だが、私は今でも、バシリーで良かったと、バシリーだからこそ我が弟も私も幸福なのだと、信じている」 震える声で懺悔されて、バシリーはだんだんとある疑問が湧いてきた。 怒りや困惑や、それ以外のどんな感情よりも、純粋に不思議で仕方なかった。 「……何故そんなにも、俺に神の子をと望まれたのですか」 バシリーの声が以外にも冷静だったからか、おずおずとギルベルトは顔を上げた。涙を溜めた瞳は、迷いなくバシリーを見つめている。 「神の子を産んだ後も、子宮は残るのだ。つまり、その……バシリーは人の子を、私の子を産める体になった」 自分の下腹部を押さえる。 神の子を孕む為に、作り変えられたこの身体。 それが、ギルベルトの真の目的だったのか。 「……跡継ぎにはできなくとも、女と結婚し子を作ることは自由なはずです。何故、そこまでして俺を」 「好きだからに決まっている!」 真っ赤な顔で椅子を蹴り立ち上がると、ギルベルトはバシリーに駆け寄り抱き締めてきた。     
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