義兄弟なのに

24/33
3919人が本棚に入れています
本棚に追加
/493ページ
「ま、マサ兄っ、顔が近いよっ」 「…許さないからね、そんなの」 「え?」 「…オレは柊羽が現れるずっと前から、ゆづのことが好きなんだから」 __________え? ま、マサ兄がオレのことを好き…? 嘘だ、と思ったが、そうすればあの夜オレにキスをしたのも合点が行く。 と、いうことは…柊羽もマサ兄もオレのことが好き…!? 恐る恐る2人の顔を交互に見ると、2人共がオレのことを真剣な眼差しで見つめてくる。 でもそんなのすぐに受け入れられる訳がない。 「ま、待って、オレ、ど、どうしたら…」 「ゆづ、好きだよ。オレを選んで?」 マサ兄がオレの手を取り王子様のように甲に口づけを落とす。 その動作が様になっていて思わず見惚れてしまう。 「…結弦、好きだ。」 今度は柊羽。 もう片方の手を取り、指先にちゅっと口づけを落とした。 こちらも王子様のようで似合っている。 両手を掴まれ、もう逃れられなかった。
/493ページ

最初のコメントを投稿しよう!